日本のフィメールラッパーNENEが2025年6月20日に新曲「OWARI」を発表しました。
MVにはNENEさんの本人のほか、ちゃんみなのそっくりさんも登場。ちゃんみなや、HANAの楽曲、SKY-HI、BMSGを名指しで批判する内容となっています。
それに対し、今度はSKY-HIが25日にアンサー曲を公開。MV無しの即興スタイルにも関わらず連日Youtubeの人気急上昇中の音楽1位をキープ、NENEの楽曲も上位を占めており、それぞれの楽曲の内容・両者のやりとりが注目を集めています。
以下に、NENE と SKY‑HI 間のディストラック&アンサーの一連のやり取りを整理しました。
なお、SKY-HIの楽曲に対するNENEからのアンサー曲が29日にすでにYoutubeに公開されています。こちらについてはまた次回に扱おうと思います。
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NENE「OWARI」(6月20日公開)
女性ラッパー NENE が、ちゃんみな、HANA、SKY‑HI、そしてその主宰するレーベル・BMSG を名指しで批判するディストラックを公開。
歌詞では以下のような挑発が含まれていました。
• 「クレジット入ってないじゃん?」:HANA の “Burning Flower” や ちゃんみな の “Work Hard” への盗用疑惑を示唆。
• 「お金払ってくれるならあげてもいいよアイデア」:自身の創作アイデアが商業的に利用されたと主張。
• 「Bitches Market Stealing Group(泥棒集団)」:BMSG をヒップホップ文化を商業目的に利用していると批判。
• 「I’m so high SKY‑HI 開く準備しとけパラシュート」:SKY‑HI に直接挑発的言及。
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SKY-HI「0623FreeStyle」(6月25日公開)
NENE の攻撃に約5日で反応。YouTube に即興スタイルのアンサー曲を公開。
主なリリック内容は以下の通り。
• 「1、2曲のTikTokやfeat.で Hottest って笑わせる」:NENE の “hottest” 主張を皮肉。
• 「お前が郷ひろみとスプリットしたら喜んでやるよミリオン」:HANA の歌詞「あっちー」引用について、郷ひろみが元ネタだと示唆し、報酬の分配も示唆。
• 「美学 持って 誠実に 頑張る」「バカ 真面目 仕事して ギャラ払う」:BMSG の理念を韻を踏ませて語る。
• 政治・社会問題にも言及:「選挙? 一昨日戦争って…平和ボケすんな」と、リリックに深みを加える。
• YouTube 説明には “Special Thanks: NENE さん” と記され、リスペクトの姿勢も示す。
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「お前じゃないんだよな笑」
SKY‑HI のアンサー公開後、NENE は “お前じゃないんだよな笑” と投稿しました。これには、「本人の名前も事務所の名前もしっかり出しておいてお前じゃないんだよなー笑は流石に無い」といった矛盾がSNS上で指摘されました。更に、コメント欄封鎖や投稿削除も確認され、「逃げ腰」「売名行為」などの批判的見方も多く見られました。

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反応・展開
NENE は自作スタイルが盗用されたとして、「OWARI」で率直に批判・挑発。商業主義と文化のズレをテーマをラップに載せて提示しました。それに対しSKY‑HI は即座にアンサー曲で返し、ユーモアを交えつつ実力を示し、BMSGの理念を主張、さらにより広い社会的視点も織り交ぜています。SNS上ではどちらかと言うとSKY‑HI の“真摯な対応”や「実力」が評価される一方で、NENE に対しては批判的な意見が多かったように思います。
今回のやり取りは、日本のヒップホップ文化におけるビーフの本質(経緯・返答・リスペクト・社会的メッセージ)が濃縮された貴重なケースとも言えます。
6月29日、早くもNENEからSKY-HIへのアンサー曲「HAJIMARI」がリリースされました。こちらについてはまた別稿で扱いたいと思います。