布袋寅泰さんの姿をパラリンピック開会式で拝見したあたりから、大野智さんの「暁」のことを書こうと思っていました。
布袋さんと嵐と言ったら、布袋さん作詞作曲、MVでは嵐と共演しているコラボ楽曲「心の空」。
同曲は2015年10月に発売された嵐の14枚めのアルバム『Japonism』のリード曲にもなっています。
同アルバムを基軸とするライブツアー「ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism」は、2015年11月から12月にかけて5ドームで17回公演が行われていますね。
全32曲で構成されるライブの後半22曲目が大野智さんのソロパフォーマンス曲「暁」。
「暁」のインパクト
「暁」
これ本当に、エポックメイキングな作品だと思っていますよ。
構成、振り付け、舞台演出、楽曲の素晴らしさ、圧巻の歌唱力、たたずまい、比類なきダンス
すべてが合わさって独特な作品世界が生み出される
空気が変わる
空間が変容する
たった1人のパフォーマーが東京ドームの5万5千人の観衆を一気に異世界へ引き込んでいく
ライブ冒頭のMCでメンバーが「Japonism」ライブのコンセプトは「外から見た日本」「原点回帰」と語っていました。ジャニーズのエンターテイメントをお楽しみください、という言い方もしていましたね。
伝統的な「日本らしさ」というものを見直し、さらにそれを超えて新たな「日本らしさ」というものを表現していく。同時に、ジャニーズがこれまで培ってきたものと、それを受け継ぐ自分たちの現在のエンターテイナーとしての姿を見せていく。そういうことではないかと思います。
ジャニーズのエンターテイメントはアメリカ文化を取り入れ格闘してきた歴史でもありますが、同時に、日本の伝統芸能にも学び、表現として取り入れてきた蓄積があります。
そして大野さんのパフォーマンスは、、
本当に高いレベルでそのコンセプトを表現していたな、、と思うのです。
…というか、Japonismライプの「暁」は芸術表現として、ジャニーズという枠を超えて、広く日本の芸能世界全体に対しアップデートを迫るパフォーマンスだったのではないかしら?
21世紀現在の「日本的なるもの=Japonism」と言われたら、伝統的な「日本」と21世紀の新しい技術や文化的要素との融合ということになるでしょう。しかし単純に組み合わせればいいわけではなく、要はその組み合わせ方のセンスやバランスが問題なわけです。芸能パフォーマンスにおいても、そこがうまくいかなければ、日本的な要素を利用した単なる懐古趣味の低俗なものになってしまいます。
大野作品の「暁」、本当にそのあたりのセンスやバランスが絶妙。。
伝統的な舞踊の型の美しさ、武道の力強さとしなやかさ、斬新なタットダンスの手の動き、スライドウォークの浮遊感
伝統へのリスペクトと超えていく自由さ
すべてをまったく嫌味なく融合させ、結果これまで見たことのないような表現になっている。
表現へのこだわりと同時に、スタイルにこだわらない、まさにFREESTYLE
創作における美意識であると同時に彼の生きる姿勢そのものなのかもしれません。
こんな表現、誰もが見せられるものではないですね。
大野さんの感性とセンス、さらに高いパフォーマンス力があってこそ可能なのだと思います。
楽曲について
「暁」のこともっと知りたいのにデータが少ない。。
楽曲について、ネット上ではとりあえず音楽ジャーナリスト柴那典さんの解説ぐらいしか見つからなかったです。
09.暁
作詞:s-Tnk
作曲・編曲:三留一純大野智のソロ曲。これもやはり「和楽器をフィーチャーしたダンスナンバー」の並びに連なる一曲だ。メロディも特徴的。七五調の言葉がハマりやすいよう、Aメロやサビは基本的に5つの音符のフレーズの組み合わせで構成されている。作曲を手がけた三留一純は、スクウェア(現スクウェア・エニックス)を経て、ゲーム・ミュージックやアニメの劇伴なども手掛けてきたクリエイター。
Real Sound 「嵐の最新アルバム『Japonism』の壮大な物語 嵐は“日本らしさ”をどうアップデートしたのか? 柴 那典が『Japonism』全曲を徹底分析」 2015.11.16 07:00 https://realsound.jp/2015/11/post-5245_2.html
ちなみに同記事上では、嵐のJaponismというコンセプトについて、文化史的観点から深堀り解説してくださっています。
深堀り部分は記事の最後、アルバムの各曲の解説の後です。
https://realsound.jp/2015/11/post-5245_4.html
作詞のs-Tnkさんも、作曲・編曲の三留一純さんも、ネット上でほとんど情報が出てきませんね。お二方とも、嵐の他の楽曲、他のジャニーズのタレントの楽曲も担当されています。
s-Tnkさん作詞のジャニーズ曲とか、三留一純さん作曲のものをちょっと漁ってみました。
なにかヒントがあるかしら?って。
でもそれらの楽曲にべつに「暁」の片鱗は感じられなかったです。
素人なので気づけない、、ってだけかもしれませんけどね。。
「暁」はどういうふうに作詞作曲されたんだろう?
曲が先だったような感じがします。再度あくまで素人の意見ですけど。
あの独特のメロディーラインが先にあってこそ、なのではないかしら。
で、そこに詞が載って、さらに違和感がないように編曲ーという流れかな、と想像します。
いや、でもわかりませんね〜。。
ともかく、和歌の5・7といった数は常に意識されていたでしょうね。
単調な和歌のリズムも再現しつつ、サビでのあの盛り上がり。。曲自体の完成度もすごいですよね。
曲があがってきたとき、はじめはソロではなく全体曲の候補だったみたいです。
もしこの曲を嵐が歌っていたら…?
最悪ボツになっていたら…?
大野さんのソロ曲になって本当によかった…
ほんのちょっとですが嵐楽曲のガイド本にそのあたりのことが書かれています。
嵐楽曲完全ガイド 2016
まだ書きたいことはいろいろありますが、とりあえず今日はここまでとします。
「暁」をまだ見ていない人はこちらで是非☆
ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism(Blu-ray通常プレス仕様) [ 嵐 ]