Japonismライブでの「暁」はMASKのパフォーマンスから始まります。
お面がどんどん変わっていくやつですね。
東山紀之さんが少年隊のミュージカル『PLAYZONE’90 MASK』にて初披露。以後、ジャニーズで受け継がれるお家芸の1つになっているようです。
滝沢秀明さんも東山さんから継承し「滝沢歌舞伎」に取り入れています。
https://www.excite.co.jp/news/article/Asajo_50657/
滝沢さん引退で後を引き継いだ後輩のSnow Manも『滝沢歌舞伎ZERO』(2019年4〜5月公演)で披露したみたいですね。
Real Soundで紹介されていました。
https://realsound.jp/2020/08/post-594772.html
彼らのYoutubeチャンネルでチラッと見れます。
14:54
あれ「変面」って言うのね。
川劇(せんげき)という中国四川省の歌舞伎のような伝統芸能で使われる技なんですって。
https://www.magicianalice.com/maskchange
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000027616
Snow Manのは中国の本家版に近いですね。一瞬で仮面が変わります。いつ変えたのかまったく見えません。
滝沢さんのパフォーマンスは未確認なんですが、Snow Manのやったものに近い感じのものだったのかな?
「滝沢歌舞伎2018」はオープニングのダイジェスト映像だけ公開されていますね。
「変面」は第一部で披露されているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=-fv4vKFMDS8
https://avexnet.jp/news/detail.php?id=1001372
元祖である東山さんのMASKってどんなんだったんだろう?
いろいろ漁っていましたら、PLAYZONEをものすごく詳しく解説してくださっているブログを発見しまして。。
以下そちらを参考にまとめてみます。
『PLAYZONE’90 MASK』の劇中の流れから
東山さんによるMASKは1990年の公演で初披露されたのですけれど、MASK=仮面というモチーフはこのミュージカル作品のテーマと深く関わっています。
MASKのパフォーマンスが始まる前に、ヒガシ(東山さん)のセリフがあります。
全世界は一つの舞台。人間はそこで動き回る役者に過ぎない。それぞれ登場と退場があって、ただ与えられた役割を演じているだけ。麝香草や桜草の花は咲き乱れ、菫は風に吹かれ、甘い香りの忍冬、野花が赤一面を覆い隠しつつ。夜になると踊りに狂い、眠りにいざなわれ、花々の中で夢を見る。すると蛇がエナメルの皮を脱ぎ捨てる。明日、明日、明日、人間はこうして時の階段を滑り落ちていく。この世の終わりに辿り着くまで。この手に何も残っていない。手を貸してくれる妖精もいなければ魔法の力もない。そこにあるのはただ絶望だけ。だが誰かに助けを求める。この祈りは天の扉を開け、神の慈悲を動かし、やがてこの身が犯した罪を許されるまで。弱き者、汝の名は。
少年隊『PLAYZONE’90 MASK』 https://mihiromemo.hateblo.jp/entry/2020/02/14/180229
これ、シェークスピア劇のセリフを抽出して1つのセリフにしているようなのです。音楽制作で言うサンプリングですね。『ハムレット』『お気に召すまま』『真夏の夜の夢』『マクベス』『テンペスト』から抜粋・再構成されているようです。
そして『PLAYZONE MASK』という作品の根底を流れる思想は、
「全世界は一つの舞台。人間はそこで動き回る役者に過ぎない。それぞれ登場と退場があって、ただ与えられた役割を演じているだけ。」(ヒガシのセリフの冒頭部分)
に集約されるかと推測します。
そのあと、東山さんのMASKのパフォーマンスが始まります。
バリエーションがあるようなのですが、次々と仮面をはずし、最後にバーンとご本人のお顔が登場!という流れは共通のようです。大野さんの「暁」の前のMASKも同じですね。
東山さんのMASKの衣装はお面含めかなりおどろおどろしいですね。。。
MASKの後は、早着替えで浮世絵プリント?「和」の強調?万葉歌人のような衣装になります。
空にはぽっかり満月。
短いバラードを歌い踊ります。
「千年の夢」という曲らしいです。
披露されたのは90年の『MASK』のときのみのようです。
歌詞、ラストのフレーズのみピックアップします。
生きてゆくのか 死に絶えるか
少年隊『PLAYZONE’90 MASK』 https://mihiromemo.hateblo.jp/entry/2020/02/14/180229
千年の夢 悩み続ける
「生きてゆくのか 死に絶えるか」は、the ハムレット(To be or no to be, that is the question.)ですよね。
「千年の夢」という曲はCDでは「千年の季節」という曲で、歌詞もぜんぜん違います。
(劇場用に変更されているらしいです)
ただし、ベースにはなっていて、原曲にも「千年の夢」というキーワードが出てきます。
ブログのみひろさんの推論では、「千年の季節」という曲は『万葉集』の集歌2381が下敷きになっているのでは、とのことです。
「君が目を 見まく欲りして この二夜 千年のごとも 我は恋ふるかも」
『万葉集』集歌2381 https://mihiromemo.hateblo.jp/entry/2020/02/14/180229
超訳:あなたに逢いたくて この二夜がまるで千年のように感じるぐらい 私は貴方を思っています
曲が終わって短い前奏で早着替え。
ドレープのある白のブラウスシャツと黒のパンツ。
「ひそかに震えてる 仮面をつけたまま 光の裏側の 妖しさに巻き込まれて」
「All The World is a Stage」の冒頭部分が歌われます。
ファルセットが印象的です。
(東山さんの声?)
いつの間にか背景の月が消えています。
舞台の前に歩み出てくる東山さん。
そのまま「All The World is A Stage」を歌うのかと思いきや・・・・
一変して場面転換、激しいダンスナンバー「Ever Dream」になります。
「千年メドレー」って言ったらこの曲だよね?ってなんとなく覚えている、床ダン!ダン!からの「クヨクヨするのはよせよ♪」の歌い出しのあの曲です。
「Ever Dream」から途切れることなくそのまま「All The World is a Stage」になだれ込みます。
ひそかに震えてる 仮面をつけたまま 光の裏側の 妖しさに巻き込まれて
少年隊『PLAYZONE’90 MASK』 「All The World is A Stage」 https://mihiromemo.hateblo.jp/entry/2020/02/14/180229
場面が変わるたび 仮面をつけかえて
真実の 自分さえ 失くしそうなイリュージョン IT’S A SHADOW
「Ever Dream」の直前と同じく、ファルセットで歌われ、センチメンタルな印象。
そのあとは、曲調が変わり、いかにもダンスナンバーという感じになります。
ただし、歌詞の世界観は変わりません。
世界中がまるで大きな舞台だね 与えられた時を誰もが演じている
少年隊『PLAYZONE’90 MASK』 「All The World is A Stage」 https://mihiromemo.hateblo.jp/entry/2020/02/14/180229
その場に相応しい「自分」に成り切って
今僕らの ステージの 輝きも ときめきだけを あぁ 感じるための 幻さ…
少年隊『PLAYZONE’90 MASK』 「All The World is A Stage」 https://mihiromemo.hateblo.jp/entry/2020/02/14/180229
いつか消える
大野さんのMASK
引用が長くなりました。
結果として長くなってしまいました。
大野さんの「暁」の前のMASK、私はまったく予備知識無く見たんですけど、はじめて見たときに思ったのは、
いくつもの仮面を外しても本当の顔は現れず
顔なんてない、表に見せているのはすべて仮面
仮面を外しても外しても本当の自分の顔は出てこない
自分の顔がわからない
そんなふうに見えて、胸がしめつけられ、不安な気持ちになりました。
でも最後、下を向いてお面をつかみ、意を決したようにバーンをお面を外し、バッと観衆にお顔をさらします。
仮面の奥の顔。
仮面の奥で格闘するパフォーマーの顔。
でもそれだけではありません。
スターの顔。
5万5千人の観衆と大規模なドーム会場を一身に引き受ける大スターです。
その役を選び取り、大衆に自分をさらしています。覚悟を持って。
その顔は大野さんの素のお顔ではありませんね。
でも、スターの顔も大野さんの一部。
というか、その瞬間はそれが大野さんそのものなのですよね。
わずか数秒なのに、虚構と現実が入り乱れる、濃密な時間、空間。
前奏が始まり、着物を脱ぎ捨て、「暁」の衣装へ。
背景に映し出される満月と「暁」の文字。
場面転換。
はじめのポーズ。
そしてイントロ。舞いがはじまり…
大野さんは「暁」の世界を表現する媒体へと変身されます。
PLAYZONEすごい
少年隊『PLAYZONE’90 MASK』全編をちゃんと見たい!ほしい!
作品としてもめっちゃくちゃ深かったんだな、というのが新発見。
ジャニーさんって。。。
ビデオほしいんだけど、VHSしかない。。
円盤でぜひ出して〜
PLAYZONEを見れば、パフォーマンス面でも思想面でも、大野作品をより深く理解できるかも。
というか、ジャニーズの作品を見る目が変わりそう。
大野さんにもハマってしまいましたが、隊沼にもハマりつつあります。。
こちらはファイナル↓
少年隊 PLAYZONE FINAL 1986~2008 SHOW TIME Hit Series Change [ 少年隊 ]
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